単心室症

たんしんしつしょう
Single Ventricle

1.心臓のきほん
 

単心室症について学ぶ前に、いくつか知っておいたほうがよいことを、順番に説明していきます。まずは、心臓の4つの部屋とその役割、どのような順序で血液が体を流れているのか?などについての動画です(5分20秒)。

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2. どうしていろんな形の心臓があるの?
 

先天性心疾患の中には、たくさんの病気の種類があります。そして、それぞれの病気によって心臓の形はちがいます。どうしていろんな形の心臓があるのでしょうか?(3分25秒)

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3. 単心室症について
 

単心室症は先天性心疾患の1.5%約7000人に1人の頻度でおこる病気です。

 

心室は、正常では右心室左心室の2つがありますが、単心室症は心室が1つしかない病気です。1つしかない心室が右心室の場合は「右室性単心室症」、左心室の場合は「左室性単心室症」と言います。

 

どうしてこのような形になっているのか、どのような血液の流れになっているのかについては、動画をごらんください(1分26秒)。

*この動画を見る前に、動画「どうしていろんな形の心臓があるの?」(前述)を見ると、内容がわかりやすいです。ぜひ、先にご覧ください。

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4. 単心室症のおもな症状は?
 

単心室症のおもな症状はチアノーゼです。動画では「チアノーゼ」はどのような状態なのか、どうしてチアノーゼの症状が出るのかを説明しています(3分28秒)。

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単心室症は、心室のあいだの壁がないため、心室の中で静脈血動脈血が混ざります。静脈血の混ざった血液が体に流れるため、チアノーゼになります。

日本小児循環器学会 単心室症 チアノーゼ
5. 単心室症の手術は?
 

単心室症は心室が1つしかない病気で、必ずチアノーゼの症状があります。チアノーゼをそのままにしておくと、日常生活が徐々につらくなり、階段が登れない、少し動くだけで息切れがするなどの症状が出たり、腎臓が悪くなったり、血痰が出たり、脳梗塞になったりする可能性があります。このため、チアノーゼ性心疾患の手術の目標の1つは「チアノーゼをなくすこと」です。

正常では、左心室と右心室の2つがあり、それぞれ全身と肺に血液を送り、動脈血静脈血が混じらないのですが、心室が1つしかない単心室症でチアノーゼをなくすためにはどうすればよいのでしょうか?

日本小児循環器学会 単心室症

その答えは「1つしかない心室は左心室(全身へのポンプ)として使って、右心室(肺へのポンプ)は、なしにする」流れにすることです。この流れのことを「フォンタン循環」と呼び、この流れにする手術を「フォンタン(型)手術」と呼びます。

フォンタン(型)手術  =
「フォンタン循環」という血液の流れにする手術​

使える1つの心室は全身へのポンプとして使い、肺へのポンプはなし

日本小児循環器学会 フォンタン手術の前
日本小児循環器学会 フォンタン手術の後

フォンタン手術に関しては「フォンタン手術について」のページで詳しく説明しているので、ぜひごらんください。

6. 手術が終わったあとは?
 

フォンタン手術は、手術のあとがとても大事です。「フォンタン手術について」のページの「10. フォンタン手術は手術のあとが大事!」で詳しく説明しています。

手術が終わったあとの経過は、それぞれの病状で違います。手術をしてしばらくしてから(多くは10年後以降)何か問題があってもう一度手術をしたほうがいい時、不整脈などの治療が必要になる時などがあります( 表1 )。必ず専門医に定期的にかかるようにしましょう。

日本小児循環器学会

「特に症状がないから」といって定期的に病院にかからないでいると、急に具合が悪くなって受診した時には、かなり病状が悪くなっていることがあります。

悪くなってから受診すると、薬や手術などの治療を行っても悪い状態が続いたり、治療ができないほど悪くなっていたりすることもあります。

表1:フォンタン手術後に問題となること

  • 不整脈

  • 血栓(心臓の中などに血液のかたまりができる)

  • 肝臓や腎臓がうっ血で悪くなる

  • 腸のうっ血で栄養を十分に吸収できなくなる

  • 心臓自体の機能が悪くなる

など

フォンタン手術のあとは、人工血管などの人工物を使うため「感染性心内膜炎」になることがあります。感染性内膜炎は、時に長期間の入院や、命にかかわるような大手術が必要になることもある、恐ろしい病気です。注意することなどについては下記のページで説明しています。

​参考ページ

また、フォンタン手術後の人が成長して、妊娠・出産を考える年齢になった時に、気をつけてほしいことについては、下記のページをごらんください。

ずっと元気でいられるように、通院や内服の継続が必要な場合は、必ずきちんと病院にかかるようにしましょう。

 

あなたにとって最もよい治療法を、

主治医の先生とよく相談して決めましょう。

日本小児循環器学会

​最終更新日:2022.05.06