心臓のきほん
動画で学ぶ
1.心臓のきほん (動画解説)
心臓の4つの部屋とその役割、どのような順序で血液が体を流れているのか?などについての動画です。病気のことを知る前にごらんください。(5分20秒)
音声が出ます
2.心臓のきほん (テキスト解説)
正常の心臓
正常の心臓は4つの部屋があり、右側に右心房と右心室、左側に左心房と左心室があります。
右と左が逆なのは、人のからだを向かい合った状態で見ると、絵の左側が体の「右」、絵の右側が体の「左」になるからです。
心房と心室の役割
心房と心室左右2つずつありますが、それぞれどのような役割があるのでしょうか?
心房は血液をためる「ふくろ」のような役割で、心室は勢いよく血液を送り出す「ポンプ」のような役割です。
実際の心臓でも、心房は「ふくろ」のように薄く、心室は筋肉ムキムキで、筋肉が伸び縮みして「ポンプ」の役割をします。
血液の役割
心臓や血管の中を流れる血液は、どんな役割があるのでしょうか?
血液には、とてもたくさんの役割があります。その中でも重要なのは、全身の臓器に酸素を送ることです。
「酸素」は体のいろいろな臓器の燃料です。たくさんの臓器は酸素を使って働いています。いろいろな臓器で酸素を使うと「二酸化炭素」が出ます。二酸化炭素は燃料を使ったあとの排気ガスのようなものです。この酸素を運ぶのが「赤血球」の役割です。
赤血球が酸素をどれぐらい持っているかで、血液の色が違います。実際の血液の色は、酸素の多い血液は鮮紅色、酸素の少ない血液は暗褐色をしています。
酸素の多い血液は動脈血、酸素の少ない血液は静脈血と言いますが、これからの説明では、血液の色の違いがわかりやすいように、動脈血=赤、静脈血=青とします。
血液の流れ
血液の流れを左心室から順番にたどってみましょう。
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筋肉ムキムキの力強いポンプ、左心室から全身に血液を送ります。
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左心室から大動脈を通って、脳、肝臓、腎臓、胃や腸など全身のいろいろな臓器に血液を送ります。
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いろいろな臓器で血液の酸素が使われて、動脈血から静脈血になり、静脈血は大静脈から右心房に戻ります。
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右心房に戻った静脈血は、右心室のポンプを使って、肺に血液を送ります。
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右心室から肺動脈を通って、肺に血液を送り、肺でたくさん酸素を取り込んで動脈血になります。
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酸素をたくさんんだ動脈血は、肺静脈から左心房に戻ります。
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左心房に戻ってきた血液は、再び左心室から全身に送り出されます。
これを血液の「循環」と言い、正常では静脈血と動脈血が混じりません。
※ 心臓から血液が出ていく血管を「動脈」、 心臓に血液が戻る血管を「静脈」と言います。
肺動脈は静脈血が流れていますが「肺動脈」、 肺静脈は動脈血が流れていますが「肺静脈」です。
心房と心室なぜ左右にわかれているの?
心房と心室が左右にわかれている理由は、静脈血と動脈血が混ざらないためです。
混ざらないことで、効率よく全身の臓器に酸素を届けることができます。
このことは、先天性心疾患を理解するためにとても重要です。
POINT!
血圧とは?
ふだん血圧計で測る「血圧」は、動脈の圧です。血液が流れている場所にはすべて、心臓の中にも血圧(圧)があります。
心臓の中の血圧はどのようになっているのでしょうか?
まず、心臓の中の血圧について知る前に、知っておくことがあります。右心室から血液を送るのは肺だけですが、左心室は脳や腸、胃や腎臓などたくさんの臓器に血液を送り出さなければなりません。つまり、右心室と左心室のポンプのパワーを比べると、右心室より左心室のほうがポンプのパワーが強い、ということです。
右心室より左心室のほうがポンプのパワーが強い
左心室の圧※ はいわゆる「血圧」と同じぐらいで100~130mmHgですが、右心室の圧は15~30mmHgと低く、左心室の圧は右心室より高いです。
右心房と左心房をくらべても、左心房が右心房より圧が高いです。
このことを知っておくと、いろいろな病気が理解しやすくなります。
心臓の中の血圧は…
右心室 < 左心室
右心房 < 左心房
POINT!
最終更新日:2022.6.30