なぜ定期受診が必要?

ほとんどの手術は2〜3歳までに終わるため、手術をした記憶がほとんど残りません。そのため、成長して大きくなった時に、特に症状がなく元気だと「どうして病院に行かなければならないんだろう?」と疑問に思うかもしれません。でも、ほとんどの心臓病は完全に治ったわけではなく、何十年か経ってから、以前行った手術の影響で何か問題が出てくることがあります。その時に、適切なタイミングで、適切な治療を受けることがとても重要です。

日本小児循環器学会 なぜ定期受診が必要?

以前は最終的な目標となる手術を「根治手術」と呼んでいましたが、根治手術と言うと「完全に治った!」と思ってしまうことがあるので、最近は「修復術」と呼ぶようになりました。多くの先天性心疾患は、完全に「治る」のではなく、手術をしたあとも定期的に病院にかかって、自分の病気の状態をチェックしておくこと、病気とつきあって自分の心臓とともに生きるという心構えがとても大切です。

進学や就職、転居、結婚などをきっかけに「特に症状がないから」と定期受診をやめてしまった人が、その後急に具合が悪くなって受診した場合、かなり病状が悪くなっていて、薬や手術などの治療が必要で、その後の生活に影響することが多いです(治療ができないほど悪くなっていることもあります)。

 

治療を終えて何年も経ってから出てくる症状を「続発症」と言いますが、もともとの病気や行った手術の内容などによって続発症は違います。どんな続発症が出る可能性があるのか、どんなことに気をつけなければならないか、主治医の先生に確認しましょう。

日本小児循環器学会 なぜ定期受診が必要?

〈注意〉ずっと症状がなくても、30歳以上になって、急に不整脈や心不全などで急に入院が必要になるような場合は、その後も悪い状態が続いたり、治療が難しかったりすることがあります。

大人になっても小児科に通うの?

大人になったら、主治医がこどもの専門の先生(小児循環器科医)から、大人の専門の先生(循環器内科医)に変わることがあります。ただし、先天性心疾患はたくさんの病気があり、病気によっては循環器内科の先生でも十分に対応できますし、循環器内科の先生のほうが得意なこともあったりしますが、複雑な病気の場合は小児循環器科の先生に、引き続きみてもらったほうがいい場合もあります。

詳しくは(「移行医療」って何?」を読んでください。

自分の病気について知ることの大切さ

大きくなって「どうして病院にかからなければならなないんだろう?」と思った時に、自分の病気についてきちんと知っていれば、これまで説明したとおり定期受診が必要なことをがわかると思います。

自分の病気について知ることは、小さいころからはじめましょう。小学生ぐらいになれば「どうして薬を飲まなければいけないの?」「どうして病院にいかなきゃいけないの?」などの疑問を持つようになります。この時に、ご家族は、ごまかさず、子どもがわかる範囲でよいので、きちんと説明するようにしましょう。そして、ご家族も子どもと一緒に、病気について勉強し、成長していきましょう。わからないことがあれば、主治医の先生にどんどん質問してください。

 

また、大きくなって一人で病院を受診できるように、小学校高学年ぐらいからは、親ではなく、子どもが主治医の先生と話し、自分の症状を説明したり、質問をしたりするようにしましょう。

大人になって社会に出る時には、自分の病気のことを周りの人に説明し、どのような配慮が必要なのか、伝える必要があります。でも、自分の病気のことはなかなか周りに話しにくいことです。病気について、誰に、どのように話すのか、小学校の頃から、ご両親と一緒に考えてみてください。このためにも、自分の病気について知っておくことが、とても大切です。

小さい頃から、自分の病名、手術、飲んでいる薬の名前、気をつけることなど、わかる範囲で自分で言えるようにしましょう!
できれば自分の心臓の絵が描けるようにしましょう!
わからないことがあれば、主治医の先生に聞いてみましょう!

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